ツボミヤツシロラン(蕾八代蘭) Gastrodia clausa T.C.Hsu, S.W.Chung et C.M.Kuo.
    ラン科 Orchidaceae  オニノヤガラ属
Gastrodia  
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 開花期に、しばしば根茎と花序の接合部から細い根が生じる。根茎は塊茎状、紡錘状ないし円筒状で2-5(7)×3-10(13)mm、黄褐色、根毛状の単細胞の毛と鱗状片を輪生する。輪状片は披針形、淡黄褐色、1-3mm。花序は直立し、2-4cm×2-3mm、地下部は淡褐色、地上部は暗褐色、3-4節、管状の膜状鞘に覆われる。花軸は5mm以下。花苞は膜状、広卵状〜卵状、褐色、5-9×4-6mm。小花梗と子房は5-15mm。花は1-3(6) 個、直立し、管状、花披片は合着し、6浅裂した花披管を形成する。花披管は閉じられ、開放難、直径4-5mm。萼片は同形、9-13mm、3/5-2/3の部分が花弁や唇弁と合着する。外部表面は暗褐色、イボ状突起に覆われる。内部面は暗緑褐色、平滑、頂部でわずかに凹む。背部の萼は遊離し、広卵形、凹頭、3-4×4.5-6mm。側萼の遊離裂片は三角形、4-5×4-5mm。花弁は淡褐色、斜卵形、凹み、遊離裂片は3-3.5×2-3mm。基部は短縮する。端部は弯曲し、平滑ないし波打つ。唇弁は花披管に着生し、淡黄褐色、卵形ないし三角形、3.5-4.5×3-4mm、基部は短縮し葉柄様、端部は平滑ないし波うつ。蕊柱は直立し、棍棒状、5-6.5×2.5-3mm、白みを帯び、基部は灰褐色、対の側翼(stelidia)と顕著な腹部突起を有する。蕊柱の足部は不明瞭。側翼は赤みがかり、弯曲、縁部は蕊柱と並行。端部は葯より下位。嘴状体を欠く。柱頭は中央付近に有り、腹部の付属器は赤みがかり、柱頭下部まで隆起、頂部は蕊柱と並行、菱形ないし卵形、約3×2.5mm、頂部で2裂する。葯は半球状、1.1-1.3×0.8-1mm、花粉塊2。凾ヘ円柱状、2-3.3cm。花梗は細長く、種実期に14-43cm。種子は紡錘形、1.5-2.2mm。開花期は3月初旬ないし中旬。沖縄本島、台湾に産する(Supplemets to Orchid Flora of Taiwan(Y) Tian-Chuan Hsu、Shih-Wen Chung and Chen-Meng Kuo Taiwania, 57(3):271,2012を翻訳)。


撮影:2012.2.26 名護市

撮影:2012.2.26 名護市

撮影:2012.2.26 名護市

撮影:2012.2.26 名護市

撮影:2013.4.6 名護市
      撮影:2013.4.6 名護市
 
 私の友人でもある植物仲間達が見つけ、京都大学の末次健司氏により、オニノヤガラ属のCodonanthus節に属するいずれの種とも異なり、(1) 花筒が開かない、(2) 唇弁が花筒に合着し、さらに通常、唇弁の基部に見られる瘤上の付属器官を持たない、(3) 蕊柱の背面に巨大な翼状突起物を持つことから、台湾で最近報告された Gastrodia clausaT. C. Hsu & C. M. Kuo と一致し、日本新産種として日本植物分類学会誌(2013年10月31日発行)に報告され、ツボミヤツシロランと命名された。
 
シロウトの翻訳なので専門用語が判りません。どなたか添削いただけたら助かります。